名作と定評のあるスーパーファミコンの『ザ・モノポリーゲーム2』を今更ながら遊んでみた

モノポリーは1935年の販売開始から売れ続けている定番ボードゲームである。

過去の記事にも書いているようにコンピューターゲームとしても移植されているが、その出来は様々であり、良質な移植もあれば、低品質の移植もある。 

今回スーパーファミコン版のモノポリーを遊ぼうと思ったのは以前の記事に記したとおりニンテンドースイッチ版の『モノポリー』を遊んでいたらコンピュータープレイヤーが弱すぎた事。

あまりに弱いコンピュータープレイヤーはゲームの張り合いがなくなる。

コンピュータープレイヤーを最高レベルにしても駆け引きも何もなく、こちらが揃ってしまう条件でも簡単に交渉に応じてしまうので負けるのが困難な内容になっている。

詳しくは以前のレビュー記事に記した。

スーパーファミコンの『ザ・モノポリーゲーム2』

『ザ・モノポリーゲーム2』は1995年にトミーから発売されたスーパーファミコン用のゲームソフト。今から26年前のものであり、これが今現在販売されているスイッチ版よりできが良いというのも不思議な話しではある。

しかし、実際に遊んでみると画面デザインの古さ等は感じるものの、面白さでは確かにスイッチ版とは比べられないほど面白いと感じた。


『ザ・モノポリーゲーム2』には対戦モードと一人でプレイで世界チャンピオンを目指すモードが有る。

そしてどちらのモードも共通で個性的なコンピュータープレイヤーが用意されている。

スイッチ版のように無個性で強さが3段階選べるのとは違い、それぞれが異なる見た目、異なる口調、異なる好み(主にカラーグループ)が設定されており、人間と対戦しているような楽しさがある。

そして、コンピュータープレイヤーの強さについてはスイッチ版よりかなり強く、中級クラスキャラでもスイッチ版の『難しい』より遥かに強い。

最強キャラは監修を行っているモノポリー世界大会のチャンピオンをモデルにしたキャラクターが登場する。

対戦モード

対戦モードは人間が1〜5人となっており、5人に足りない場合はコンピュータープレイヤーを選び5人対戦となる。
モノポリーの基本ルールは2〜8人であるが、最も面白いとされるプレイ人数が5,6人と言われるのでこのような仕様になったのであろう。
ゲームバランスの調整、コンピュータープレイヤーの思考ルーチンの調整を考えても5人に限定しておいたほうが強い思考ルーチンを作りやすいだろうとは思う。
スイッチ版と違いコンピュータープレイヤーは強いのも弱いのも選べるので参加メンバーの実力に応じて丁度良いのを選ぶことが出来る。
実際遊んでみてもそのコンピュータープレイヤーが強いため緊張感がありとてもおもしろく感じる。
ただ、モノポリーの正しいマナーに沿って作られているため、スイッチ版のように自己都合で破産することは出来ない。
スイッチ版のような自己都合で破産できるのもどうかとは思うが、負けが確定してただ生き残っているだけの状態でプレーをし続けるのは結構辛い。

ま、それがモノポリーではあるけど。

逆に言うとスイッチ版では勝ち目のないプレイヤーがまだ払えるのに破産を選んで物件が全て2位とか3位のプレイヤーに渡り本来では起きない逆転勝ちが発生してがっかりする展開もある。
『ザ・モノポリーゲーム2』はモノポリーの面白さもちょっとかったるいところも全てちゃんと再現していると言える。

一人プレイモード

一人プレイモードでは手持ちのコインを使って大会に参加し、1位か2位ならコインが貰えるという仕組みになっている。

負け続けるとコインが無くなってしまうが救済はされるようだ。

モノポリークイズやカジノといったモードでもコインを増やすことが出来る。

ただ、勝てばコインは貰えるので私はコインが無くなってしまったことは無い。

大会にはレベルがあり複数の大会が用意されている。

オレンジカップ

レッドカップ

イエローカップ

グリーンカップ

ボードウォークカップ

徐々に難易度があがり、参加するためのコインも増えていく仕様となっている。

個性的なキャラクターによるコンピュータープレイヤーとの対戦はプレイを始めた当初、やばいくらい面白いと感じた。

ただ、何度も遊んでいるうちにコンピュータープレイヤーがそれぞれ持っている好きなカラーグループは個性を明確にしている反面、そのカラーグループに固執するあまり、人間がその好みを逆手に取れば勝つのは難しくない事がわかってしまった。

最高レベルの前段階にあるグリーンカップでもコンピュータープレイヤーの特性がわかってしまうと負ける気はしない。

だが、最高レベルのボードウォークカップメンバーとなると、本来好きなはずのカラーグループに固執しすぎない感じがある。

実際私はボードウォークカップの決勝に挑んで優勝できないばかりか懸賞金の貰える2位を逃してコインが減少し、仕方なくグリーンカップを戦って懸賞金をもらってからボードウォークカップに再挑戦するという事を幾度か繰り返すことになった。

それで5回目くらいでボードウォークカップ決勝で優勝することが出来た。












表彰されフリープレイの部屋が開放される。




そしてエンディングテロップとなる












そしてフリープレイの部屋へ






 試しに一回やってみるとメンバーは自由に選べる部屋であった。

 また、コインをかけることが出来るシステムとなっている。

 かけられるコインは選んだメンバーの中で一番弱いキャラが上限になっている。

 なので四人のうち三人がボードウォークカップメンバーでも一人オレンジカップメンバーを入れればほとんどコインをかけることは出来ない。

 試しにオレンジカップメンバー四人と試合をするとかけられるのはたったの4コインであった。


当然弱いので簡単に勝ててしまうが、結構時間はかかった。


フリープレイに勝利したところ貰えたコインは20枚、4枚かけて人数分の5をかけた数値ということらしい。

フリープレイのトロフィーはあっけなくもらえた。

さらにコインを集めるにはフリープレイで強いメンバーを集めてたくさんお金をかければ良いのだろう。

ただ、まぁここまでで一区切りだと思う。

一人プレイモードの気になる点

 さて、一人プレイモードで対戦モードと異なり気になる箇所がある。

 基本的にはよく出来た面白いゲームなのだが、対戦モードでも触れた自己破産が出来ない仕様(正しい仕様だが)で、自分がほぼ3位以下確定となった場合、負けで良いから終わりにしたいのだけれど終わりに出来ない。自己破産が出来ないのはしょうがないとして負け確定でいいから終了するという方法が無い。

 対戦モードではリセットすればこの状況を強制的に脱出できるのだが、一人プレイモードでは自動セーブされるためリセットしても何ら状況は変化せず続きから始まるので終わらせることが出来ない。

 対戦なら他のプレイヤーに配慮して続けることに意味があるが、一人プレイモードでは負け確定で終わりにして困る人は誰もいないのに終わりに出来ないのは不満である。

 負けることがわかっている状況で下手すると30分くらいプレイを続けないと次のゲームを始めることが出来ない。

全般的なちょっと気になる点

  • カード表記が英語
    テキストは日本語なのだけど、カード画像は英語表記で違和感あり
  • サイコロを振った後の移動が早送り出来ない
  • 解像度の問題からか全体的な状況把握がしづらい
    『見る』で状況を確認しなければならないのでテンポが悪くなる
  • 対戦モードでは毎回名前を入力しなければならない
  • 対戦モードでの累計成績などが無い



コンピュータープレイヤーについて

基本的にキャラ毎に特性が異なり人間とプレイしているようで楽しい。
しかし、気になる箇所もある。

  • コンピュータープレイヤー同士の交渉で、同じ金額が繰り返され何も進展しない事がよくある。それぞれのキャラごとに妥協点が設定されているようだが、妥協点が噛み合わないと同じ金額の交渉を繰り返し時間ばかりかかって何も状況が変わらない。
  • キャラによって好みのカラーグループが絡む交渉では柔軟な対応はなく、本来有利な条件が提示されても拒否してくる
  • 下位キャラほど高い物件が建つと交渉に応じなくなるように思える
  • コンピュータープレイヤーの思考ルーチンは個性をもたせているため必ずしも合理的な判断をするとは限らない。
  • 交渉で手に入れた土地に家を建てずに他の土地を取得しようとするなど行動に一貫性が無いことがある。


まとめ

いくつかの不満点はあるものの、現在販売されているスイッチ版のモノポリーとは比べ物にならないほどよく出来た移植だと言える。

制作にモノポリー協会会長の糸井重里やモノポリー世界チャンピオンの百田郁夫らが名を連ねておりこの出来になることも頷ける。
これ以降のテレビゲームやアプリへの移植はEA、UBIなどから発売されているがどれも見た目などの改善はされているものの、モノポリー本来の面白さの再現はされておらず、見た目とオリジナルルールを売りとしたものになっている。


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