タイムシフトマシンの夢と現実

ヨドバシで東芝のタイムシフトマシンを購入した
DBR-M3009 3TBのモデルである。
4TBのモデルもあったが、3TBのこの機種の方が最新だったので、この手の機械は最新のものを買った方が何かと安心であるからこの機種にした。
それに同時に買った6TBのUSBハードディスクは僅か1万5千円程であり、4TBモデルは3TBモデルより1TB多いだけで1万8千円高かったのも3TBを選んだ理由である。
しかし、この選択が正しかったのかは実ははっきりしない。
詳細は後に述べる。

そもそも何故購入したのか?

今まで使っていたレコーダーが東芝のRD-X10で、Blu-rayドライブが壊れており、録画したものをBlu-rayに焼くことが出来ず、このままではいつか壊れて失われるかもしれないというのがあって、後継機を買わなければならなかった。
Lan接続のハードディスクに映像を移す事も出来たが、何故か一部の映像はLan経由で移動不可と表示されていたので、東芝同士なら移動はスムーズに行くだろうという理由で後継機は東芝一択となった。
4K対応にするか否かについては既にテレビで4Kを録画出来る状況であることと、4K放送に面白いものがない事を実感しているので見送った。
それなら以前から使ってみたいと思っていたタイムシフトマシンを買ってみようと思ったわけである。
タイムシフトマシンは録画予約とか面倒なことをしなくても全チャンネルを勝手に録画してくれて後から見たいものを見れる仕組みだ。(と思っていた。)
ただ、私は2001年くらいからテレビの地上波をほとんど見ない生活を送っていて、地上波に魅力を感じていない。
と言っても「ベトナム」とか「岡村靖幸」とか一部のキーワードをレコーダーに設定していて自動録画はしていたので、気が向いた時に自分が気になるものを見たりはしていた。
それは地上波だろうとBSだろうと関係なく録画されているものから選んで観るという事をしていた。
これが実は結構不便で、現在の機種なら違うのかもしれないが、ずっと使っていたX10は古いものを削除してくれないのでいつの間にかハードディスクがいっぱいになっていて録画されていない事が頻発していた。
そもそも、普段はNetflixやHulu、DAZN、ディズニー+等をappleTVで視聴しているのでレコーダーを確認することすら面倒になっていた。
そんな私にとってタイムシフトマシンは自動で録画され、古いものは削除されるはずなので管理が不要で便利になるのではないかという期待があった。
また、私は主にテニスの4大大会グランドスラムを観るためにWOWOWを契約しているが、今年は今やっている全米と1月の全豪は行われたが全仏ローランギャロス、全英ウィンブルドンが行われず契約している意味が殆どない状況であった。
WOWOWはCM無しで地上波ではまだ放送されない映画が放送されるので真面目に録画予約をするのであれば結構いいのかもしれない。
しかし、Netflix等に慣れてしまった私は、録画予約なんて前時代的な事をしたいとは思わず、WOWOWは活用されないままであった。
だが、タイムシフトマシンでWOWOWを常時録画してしまえばいつでも気が向いた時に比較的最近の映画を観ることが出来るはずで、これはもしかしたら活かされずにいたWOWOWのコンテンツが遂に活かされるのではないかと期待した。
WOWOWのスポーツ中継にしてもわざわざ録画予約をしなくてもいつでも観れて、またディスク容量を気にして削除するという面倒な手間もなくなると期待した。

設定をしてみると

まず設定段階で自分の想定とはだいぶ違うなと思った。
タイムシフトマシンを設定できるチャンネルは合計7で、WOWOWプライム、WOWOWライブ、WOWOWシネマを設定してしまうと残りは4つ。地上波の中で静岡の民法4チャンネルを設定すると全て埋まり、NHKや他のBSチャンネルは登録を諦めざるをえなかった。
さらに外付けのUSBハードディスクは2チャンネルまでしか登録できないので、7チャンネルのうち、5チャンネルは内蔵3TBとなり、2チャンネルのみ6TBハードディスクを使うことになった。
仕方がないのでその2チャンネルはWOWOWのプライムとシネマに割り当てた。
結果、その2チャンネルのみ長期間保存されることになった。
タイムシフトマシンの稼働時間設定は平日は12:00以降午前1時までの13時間録画で、休日は開始時刻が8時からというものを選んだ。

観始めてみる

使ってみると、タイムシフトマシンの過去番組表は確かにちょっと面白くて便利に感じる。
過去の番組表からWOWOWの映画の中で面白そうなものを選んで観るのはお得な気がしてくる。
だが、WOWOWは映画のシリーズをまとめて放送することが多いが、そういう時は結構朝早くから一作目、二作目と連続で放送するので休日の8時から録画開始という設定では一作目が録画されない事があった。
それから、過去番組表はひたすら時系列に沿っているだけなので、自分が興味があるものをAIがピックアップしてくれるようなNetflix的な便利さは皆無であり、新聞の番組表をどんどん遡っていくようなアナログ感がある。
また、番組のサムネイルを表示するモードに設定していると文字を読まなくてもどんな番組か何となく分かるのだが、動作が遅くてちょっとストレスを感じる。
地上波については元々あんまり興味がなかったが、好きな時にちょっと面白そうなのを選んで観れるのはそこそこ楽しい。
例えば複数の放送局のニュースを確認するとかが簡単に出来る。
もっとも、Huluではいつでも日テレニュースやBBC、CNN等リアルタイムでニュースを観ることが出来るし、そもそもニュースはインターネットでいつでも確認することが出来る今この時代において便利と言えるかはまた微妙ではある。
地上波のドラマにつていは前回の記事で記したように「半沢直樹」の新シリーズが始まっている事を過去番組表で気づいたりしたので、興味があるドラマが始まったらちょっと便利に感じると思う。
検索機能について数週間使って気がついていなかったが、過去番組表の右下に小さく「サブメニュー」という表示があり、リモコンのサブメニューボタンを押すとキーワード検索やジャンル検索の機能が使えた。
番組表をただ眺めるよりずっと便利である。
こんな感じでそこそこ便利かもしれないと思って数週間使ったところで、テニスの全米オープンが始まった。

全米オープンによって明らかになった事

まず、全米オープンは時差があるので深夜0時から昼まで放送されている。
つまり、タイムシフトマシンの午前1時までという録画設定ではほとんど録画されない。
これでは話にならないのでWOWOWライブのみ24時間録画にしようと思い立った。
タイムシフトマシンの録画時間設定変更は、気軽には出来ない仕様となっていて、設定変更をすると、それまで録り貯めていた過去番組表が全て削除される。
だが、まぁ仕方がない、半沢直樹とか必要な番組は保存をしてあったので設定変更を行うことにした。
すると、ここで大きな問題に気がついた。
まず、WOWOWライブだけ録画時間を変えることは出来なかった。
地上波を含む7チャンネル全て同じ設定にしなければならない仕様だった。
すると、24時間録画する必要もない地上波も全て同じように録画され、ハードディスクを消費する。
そんな事をすると一週間も保存されない為、タイムシフトマシンらしくないと思った。
また、24時間は設定できず、メンテンス用の1時間を空けなければならず23時間しか録画できなかった。
このメンテナンスの1時間は通常深夜に設定されているが、深夜から昼まで録画する必要がある全米オープンをちゃんと録画するためにはメンテナンス時間を午後のどこかに設定しなければならない。
そのような事をするとその時間に放送される映画はちゃんと録画されなくなる。
それに、全米オープンを録画するためには午後にメンテナンスする必要があるが、全米オープンが終わればその設定は不要となる。
なので全米オープンが終わったら深夜に戻したくなるが、設定変更は過去番組表が全消去されるのでそうそう気楽には行えない。
ここまででWOWOWライブの全米オープンをタイムシフトマシンでまともに録画するのはかなり困難であることがわかった。
そこで、それなら通常録画をすれば良いと思った。
タイムシフトマシンを7チャンネル全部使っていると通常録画は出来ないという仕様だったので、まともに役に立たないWOWOWライブをタイムシフトマシンから外した。
これで通常録画が出来るようになったので、通常の番組表から全米オープンを選び毎回録画を選んだ。
結局は前時代的な録画予約に頼ることになった。それでも毎回録画と指定すると自動的に全ての全米オープンの予定が設定されるのでそれほど不便でもないとも思った。
しかし、まだ問題は解決しなかった。
タイムシフトマシンのメンテナンス時間は通常録画にも影響を与えるので1時間程度録画されない時間が発生することが警告として表示された。
まいった。
八方塞がりで解決策は無い。
勿論、タイムシフトマシンでの録画を諦めてテレビの録画機能を使うといった手はある。
だけども、WOWOWは有料放送でB-CASカードが異なれば別契約が必要になる。
テレビの方で観ようと思ったら追加契約をしなければならない。
追加契約は月900円なので大した額ではないけど、契約手続きをしたり、全米オープンが終わったら契約を解除したりする手間は結構面倒に感じる。
なので一時間録画されない時間があることは目を瞑る事にした。
その一時間に重要な試合が行われないことを祈るしか無い。

RD-X10からの移動

当初の目的であるX10に残るLan経由での移動が不可になってしまっている映像について移動を試みたが、Lanのハードディスクと同様に不可だった。
なので、X10を修理に出す以外の方法で救出することは出来ないとわかった。
駄目だとわかってみると、そこにあるものはさほど重要なものなど無いと思うようになった。
手間と時間とお金をかけて修理する必要があるかは微妙で、今は積極的にしたいとは思わない。

まとめ

タイムシフトマシンは基本的に地上波を意識した製品だと感じる。
地上波であればメンテナンス時間は深夜や早朝に設定すればほぼ問題はない。
Netflix等に慣れていると感動は薄いが時間を気にせず観たい番組を観たい時に観られるというのはそこそこ便利である。
『半沢直樹』のようにわざとParaviで本編を観られないようにしている番組がある現状では地上波の番組を自由に観られる事は一定の意味がある。
WOWOWについてはシネマやプライムは地上波と同じ設定でも重要なものは観られるので私にとっては活用されなかった映画がいつでも観られるようになったことは良かったと感じている。
WOWOWライブについては詳細を記したように全米オープンのような長時間行われるテニスの大会においてタイムシフトマシンはほとんど役に立たない。
WOWOWライブで音楽のライブ中心に観ている人には問題ない。要は時差のある海外のスポーツライブ中継がタイムシフトマシンでは対応できないのである。
まとめると、テニスの録画予約をしないで済むと思った私の目録味は外れたが、それ以外のドラマ、アニメ、音楽などの番組は自由に観ることが出来て結構良い。
私みたいに地上波にあまり興味がない人間でも面白いと感じるのだから地上波をまめに録画予約しているような人は購入したらもっと活用できるし楽しいだろう。

モデル選択の補足

3TBモデルを選択したことについては実際のところ微妙に感じていた。
前述の通り、ハードディスク容量は多ければ多いほど良い。USBハードディスクに録画できるチャンネルは2つまでなので、残りのチャンネルは内蔵ハードディスクに頼ることになる。
もっとも、USBハードディスクをさらに増設した場合は内蔵ハードディスクへの依存は少なくなるはずだ。
ハードディスク用USBポートは2つあり、USBハブを使えば4台まで接続できるとのこと。
4台接続するなら内臓のハードディスクの容量は気にならない。6TB×4で24TBの容量となり、全てのチャンネルをUSBハードディスクに設定が可能になるはず。
私はUSBハードディスク一台で数週間利用していたが、やはり二台は有ったほうが良いと思いもう一台購入した。
二台接続した段階でタイムシフトマシン、USBハードディスク二つの合計三つコンセントが埋まるのが結構気になった。
三台以上接続するためにはUSBハブが必要となるが、このUSBハブもACアダプタからの電源供給が必要という仕様である為、三台ならさらにコンセントが二つ必要になる。
個人的にはこれは結構気になる。

さて、結論として3TBモデルを選択したことは特に問題は無かったのだろう。
ハードディスクを二台接続していれば内蔵ハードディスクの容量は大して気にならない。
過去番組表から保存したものはLan接続のハードディスクに移してしまえば内蔵ハードディスクの容量が少なくなることもない。
では、三台、四台とハードディスクを増設するかというと、その方がより便利なのは間違いないがコンセントの必要数が増えすぎるのでやらないだろう。
一人暮らしならともかく、家族で住んでいるとこういう大袈裟な感じは気が引けるのである。


追記:令和2年9月19日
全米オープンテニスが終了して、結局録画予約の「毎回」指定でうまく録画されて観ることが出来たのかというと、結構順調に録画されて観ることが出来ていたのだけど、最終的には満足できる結果ではなかった。
具体的には二つの大きな問題が発生した

◇女子シングルス準決勝の二試合目

 女子シングルスの準決勝一試合目が大阪なおみの試合であり、こちらはちゃんと録画されていたので被害は少なかったとも言えるが、二試合目のケルバー対セレナは2セット目の途中までしか録画されていなくて、その後にケルバーが大逆転する部分が視聴できなかった。
 タイムシフトマシンの録画予約は説明書のPDFを確認すると番組が延長されれば追随して録画されるとなっている。以前使っていたX10でも延長されるのだから、延長録画されるのは当然だろう。
 だが、延長録画はされなかった。
 説明書を確認した時点で延長録画される仕様である事はわかったので、なんらかの制約にひっかかったのかもしれない。
 それが何なのかを調べる気力は湧いてこなった。

◇男子シングルス決勝

 男子シングルス決勝に至っては録画されていなかった。
 何故録画されなかったのはまったく不明であり、それまで毎日デイセッションもナイトセッションも「毎回」指定によって録画されており、前日の女子シングルス決勝も普通に録画されていたのだが、男子シングルス決勝は録画されなかった。
 私はメインで観るのが女子シングルスなので、録画されなかったのが男子シングルス決勝なのは不幸中の幸いと捉えることも出来る。
 私にとってはそれほど大きなダメージではなかった。
 もし、決勝に私が好きなナダルが出場していたとしたらショックはもっと大きかったに違いない。
 だけども、男子シングルス決勝が録画されていなかったってのは普通に考えてレコーダーの役割を果たしていないと言える。
 これではっきりしたのはタイムシフトマシンの録画予約機能は当てにならないという事である。
 まぁ先に記してあるように、タイムシフトマシンはメンテナンス時間が必要で、その時間は録画予約できないという仕様である為、通常の録画予約については普通のレコーダーより劣る事ははっきりわかっていた。
 その上で延長されない不具合や、そもそも録画されない不具合まである事がわかった。
 タイムシフトマシンはあくまでタイムシフトマシンとしての使い方に特化して使うものであり、通常録画、特に深夜の長時間録画に使うべきではない。
 今年は開催されないと思っていた全仏が秋に開催されることになったようなので、それまでに解決策を考えることにする。

◇タイムシフトマシンとしての補足

 タイムシフトマシンとしては、基本的に大きな問題はないと感じているが、だからといって頻繁に利用しているかと言うと利用していない。
 元々地上波を観る習慣が無いので録画されている番組に魅力を感じない。家族もNetflixやHuluがあるのが当たり前なのでタイムシフトマシンに魅力を感じないようだ。
 もっとも、WOWOW専用で6TBのハードディスクを付けているので、もう少し時間が立つとたくさんの映画から好きなものを選んでみるのが便利に感じるようになるかもしれない。
 だが、作品を検索する機能は思ったより使いづらいという事がわかってきた。
 まず、WOWOWは地上波とちがって平日の午前中でも普通に娯楽映画を流している。
 タイムシフトマシンの設定は正午から深夜1時にしているので、11時開始の映画は12時から中途半端に録画される。
 これが検索にヒットして観ようとすると、途中から始まってビックリすることになる。
 ビックリというよりネタバレになってしまう。
 また、ジャンル検索機能が便利に思えるが、映画>アニメで検索される作品がアニメ>で検索した際には表示されないということがあったりして検索精度は大いに疑問がある。
 また、検索速度は遅い。
 サムネイル画像も無く、タイトルを選んで説明を読むという作業が結構めんどう。
 快適に反応するNetflixやHuluに慣れてしまうとレコーダーの作品検索機能は弱すぎてストレスを感じる。
 このように実際に使用してみると色々と細々とした不満が表面化する。
 ただ、それでもちょっと面白い機械ではある。
 NetflixでもHuluでもディズニー+でもDAZNでもdアニメでも観たいものが無かった時に、ちょっと起動してなんか無いかなと観てみるのはアリかなと。
 特にWOWOWは他より先に劇場公開作品を放映するので、他で観れないものが観れることもある。


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