ゲームセンターと現在の課金システム

昔、ゲームセンターや駄菓子屋でよくアーケードゲームを遊んだ。

駄菓子屋の場合は1回のプレイが10円だったり50円だったり、ゲームセンターはだいたい100円だった。

アーケードゲームはファミコン等の家庭用ゲーム機が登場する前からあった。

アーケードゲームの世界には無課金というのは存在しない。

1回のコイン投入が1回の機会を得るという単純な仕組みだった。

コインをたくさん投入すると有利になるというわけでもない。

ただ、お金がある人は何度も挑戦をする権利を得られる。

だけど、上手い下手は別の問題で、何度挑戦してもいいスコアが出ない人もいれば、1回のチャンスでハイスコアを出す人もいる。

アーケードゲームの世界は課金は必要だが公平な世界であった。

後に、アーケードゲームにコンティニューという仕組みが実装され、上手くなくてもコンティニューしまくってすべてのステージをクリアするという事が可能になり、たくさん課金出来る人が有利になる面もあったが、スコアはクリアされるので純粋に上手い人と課金して最後までクリアした人には明確な違いがあった。

昨今の無料で遊べる課金型のゲームにはこうした公平さが無いものが多い。

アーケードゲームのように課金してコンティニューするとスコアがクリアされるような仕組みがあれば良いのだが、それが無く、課金した人が単純に強くなってしまうようなシステムが多い。

これだと勝利が作戦やテクニックによるものではなく、課金している額が多い人が有利になってしまう。

それを補うように単純な課金では勝てないように時間をかけないとならない仕組みが用意されていることが多い。

無課金ユーザーは課金はしないが時間がかかる面倒な作業を繰り返すことで有利に出来るような仕組みが作られている。

これは面倒な作業で焦らす事によって達成感を演出しつつ、その面倒な作業を回避する課金アイテムを用意して課金を促す仕組みになっている。また、その課金アイテムも購入数を月1回といった制限を行うことで単純な課金で一瞬に終わらせることは出来ないようにし、また月1回しか買えないなら買っておかなければという勿体ない感情を刺激する仕組みともなっている。

課金型のゲームでは随所にこの「勿体ない感情」を刺激する仕組みが作られている。

1日に1回しか出来ない、特定の曜日にしか手に入らないといった仕組みを導入することでアクセスしないと損だと思わせることでアクセスを促す。

これらは実際にはなんの価値もないものに価値を生ませるための手法である。

課金の種類

ゲーム内の課金システムについて分類する

まず、私が上質な部類の課金だと思うのは「装飾課金」と「利便性課金」である。

「装飾課金」とはキャラクターのコスチュームなど見た目を変えるだけでゲーム性には何の影響もない課金である。

ゲームが有利になるわけでないので公平でありとても好ましいといえる。

次に「利便性課金」これはキャラクターをストックできる枠を増やすなど、利便性を向上させるタイプの課金である。

こちらもゲーム性に影響を与えないが、ユーザーにとって便利になるというメリットを与えることが出来る。

公平さを失わないので良い課金だと思う。

上記2つ以外の課金はゲームの公平さに影響を与える課金となる。

「機会課金」これはゲームセンターのコイン投入のように機会を増やすことが出来る課金である。

ゲームシステムがアーケードゲームのような毎回スコアがリセットされるものであれば公平さに影響を与えないが、昨今の課金型ゲームの多くはRPGの経験値稼ぎや育成型で徐々に成長するようなシステムが多く、機会の増加はそのままゲームの有利不利に影響する。

また、こうした育成要素のあるシステムでは一日に無料でアクセスできる回数が決まっており、勿体ない感情を刺激する仕組みとなっている。

「アイテム課金」ゲーム内の状況を有利にするアイテムを手に入れるタイプの課金。

有利不利に直接影響する。欧米のゲームに多い。大概は少額課金で十分楽しめる。

「ガチャ課金」アイテム課金に近いが、博打要素があり重課金に繋がりやすい。少額課金ではほとんど状況を有利にできないようなバランス調整になっている。

日本発祥のシステムであり、私が一番嫌いなシステムである。

「ステージ課金」課金しないと遊べるステージが少ないといったシステム。

ゲームのシステム次第では公平さを保てる。システム次第なので公平さを失う場合もある。

課金の種類はだいたいこんなところだろうか。

まとめ

論点は2つある。

一つは欧米のゲームのように少額課金で十分楽しめるゲームと日本市場のガチャを中心とした重課金でないと有利にならないシステム、幅広く少額課金を促すか、一部の重課金者に依存し、重課金と無課金で構成される市場にするのかという仕組みの違いである。

前者は多くの場合世界展開しておりプレイ人口が多く、幅広く少額課金者を抱えている。

後者は日本市場、またはアジア市場が中心でプレイ人口が少なく、一部の重課金者に依存している。

もう一つは課金で有利にならないように作ってあるゲームと課金で有利になるようにしているゲームの仕組みの違いである。

公平なゲームシステムはEスポーツのように公平でなければならないゲームに多い。

課金によって公平さが失われるシステムは、そもそもガチャ等の射幸心を煽るシステムが採用されており元々が『課金をする=有利になる』をアピールしているような作品が多い。

私が好ましいと思うのはやはり公平であり、課金はゲーム性に影響を与えず、見た目課金や利便性課金で少額課金を行うシステムである。

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