ベトナムの年中行事、『かまど神様の日(ngày ông công ông táo)』とは?

 旅の指差し会話帳でベトナム語の発音レッスンをしていると年中行事のページにきて、気になる行事があった。

旧暦12月23日に行われると記されている『かまど神様の日』である。

ベトナム語表記ではngày ông công ông táo となっている。

旅の指差し会話帳 ベトナム語P40より引用

ngày は日、ông は人称代名詞で年をとった男性の名前の前に付けると習った。

なのでcông(コン)お爺さんとtáo (タオ)お爺さんの日 なのかなと思った。

しかし、ngày ông công ông táo で検索すると、真ん中に一人の女性、左右に男性がいる絵が表示される。

どういう事なのだろうと調べてみることにした。

かまど神オンタオの日(Viet Jo Life)

ここに日本語で解説があった。

ngày ông công ông táo 以外にngày ông táo という短い表記や、Lễ cúng ông táo về trờiという表記もあった。

ông はこの場合「〜様」という敬称として使われているらしい。

なので、それぞれ、コン様タオ様の日、タオ様の日、タオ様が天に帰るのを祭る日という感じかな。

táo は竈(かまど)なのでかまど神様の日だとわかるけどcông がよくわからない。

そこで、まずはオンタオの物語を確認する。

先程のリンク先とこちら2つのベトナム語のリンク先に微妙な違いがあるように思える。
dienmayxanh.com / meta.vn

けど、大筋は変わらないので簡単に説明すると

チョン・カオ(Trọng Cao)という男性はティ・ニー(Thị Nhi)という奥さんがいたけど、子供が出来なくて言い争いが起きるようになり、ついに暴力をふるったので奥さんは家を飛び出してしまった。その後ティ・ニーはファム・ラン(Phạm Lang)という人と結婚した。
後、気持ちが落ち着いたチョン・カオはティ・ニーを探す旅に出て、苦労しながら遂に会うことが出来た。しかし、そこに現在の夫ファム・ランが帰ってきて、ティ・ニーはチョン・カオを干し草に隠した。
ファム・ランは肥料を作る為に干し草に火を着け、それを見たティ・ニーは助けようとして火に飛び込み、ファム・ランも助けようとして火に飛び込み全員死んだ。

天帝ngọc hoàng(漢越語で玉帝)は三人にそれぞれ役割を与えた。

ファム・ランPhạm Langは Thổ Công漢越語で土公=土地の神様 台所の面倒を見る神

チョン・カオTrọng Cao はthổ địa 漢越語で土地 家事の面倒を見る神

ティ・ニーThị nhiは thổ kỳ (kỳ の漢越語が不明)市場での買い物の面倒を見る神

Phạm Lang được phong là Thổ Công trông coi việc trong bếp, Trọng Cao là Thổ Địa trông coi việc trong nhà và Thị Nhi là Thổ Kỳ trông coi việc chợ búa.

そして三人合わせてtáo quân 漢越語で竈君(簡体字だと灶君)とした。

まぁなんというか悲劇から同情されて三位一体の神になったという話。

それぞれの名前にcông もtáo も出てこないけど、táo は三人合わせた竈君のかまどを意味しているから良いとして、công はファム・ランのthổ công 土公からきているのだろうか?

するとngày ông công ông táo は公様、竈様の日となるけど・・・? なんか変だなぁ?

辞書を調べるとtáo quân の同義語にtáo côngがある。竈公?

よくわからない。 

しかし、物語の中心人物といえるのは女性のティ・ニーThị nhiなのにông công ông táo では男性の敬称しか出てこない。

ファム・ランPhạm Langのthổ công、チョン・カオTrọng Caoのthổ địaにはWikipediaが存在しているがティ・ニーThị nhiのthổ kỳ は存在していない等、不平等感がある。

thổ công wiki / thổ địa wiki

行事としては、北部では鯉または金魚を川に流す儀式があり、南部では馬と鷺の絵が描かれた紙を燃やすのだそう。




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