Facebookを利用しているのはおじさんばかりという言葉が定説のように広がっている。
そして、何かに付けてFacebookを利用していない人がその事を広めようとしているように感じる。
私は複数の広告代理店とこうした話題を話したことが有ったが、多くは根拠を全く示さず定説として喋っていた。
これに対して、私は大いに違和感があった。
まぁベトナム人との交流が多い私の場合は若い世代のベトナム人が多く使っていることを知っているため、より違和感を持ちやすい状況なのかもしれない。
だが、その点を差し引いても「おじさんばかり」というのは間違っていると思う。
URLは覚えていないが以前大学の誰かが学生にアンケートを取った結果として僅か30人程度の対象のアンケートからFacebook利用者が少ないので20代は利用していないという記事を見たことがあるが、人数が少なすぎる上に恣意的に操作したとしても気づくことができない内容であり信憑性のかけらも無かった。
だが、そうした記事が堂々と公開されて定説のように広がる原因を作っていると思われる。
調査
さて、ではネット視聴率サイトであるemark+でFacebookの利用者の世代分布を見てみることにしよう。
世代 | 比率 |
20代 | 16.2% |
30代 | 20.0% |
40代 | 25.2% |
50代 | 18.5% |
60才以上 | 20.1% |
2022年1月のデータである。
確かに40代が多く20代は若干少ないようにも見えるがほとんどの世代がまんべんなく利用しているように見える。
そこで、国勢調査による人口分布を確認する。
統計上の年齢分布と人口ピラミッド
こちらのデータをemark+と比較しやすいように同じ基準で表にするとこうなる。
世代 | 人口 | 比率 |
20代 | 11,963,270 | 11.7% |
30代 | 13,796,161 | 13.4% |
40代 | 17,941,370 | 17.5% |
50代 | 16,307,333 | 15.9% |
60歳以上 | 42,632,995 | 41.5% |
60歳以上が多すぎるが、それはともかくとして、40代が多く、20代が少ないことははっきりわかる。
ではFacebookの世代分布と国勢調査の値を比較してみる。
世代 | Facebook | 国勢調査 |
20代 | 16.2% | 11.7% |
30代 | 20.0% | 13.4% |
40代 | 25.2% | 17.5% |
50代 | 18.5% | 15.9% |
60才以上 | 20.1% | 41.5% |
国勢調査とFacebookの世代分布で20代、30代、40代、それぞれFacebookの方が割合が大きくなっている。
実際の人口分布よりも利用割合のほうが大きく、定説として広まっているFacebookはおじさんばかりというのが間違っていることが明白に分かる結果となった。
考察
Facebookはおじさんばかりという言葉が広がった原因はいくつかあると思うが、その一つには競合サービスを持ち上げたい企業・団体・個人による意図的なマイナスイメージの流布があるように思える。
もう一つの要素として、日本は世界では珍しくFacebookの利用者が全人口の半分以下となっている。
ベトナムならよっぽどの高齢者でもない限りほぼほとんどの人がアカウントを持っている。
日本人には実名アカウントに対して拒否反応を持つ人が一定割合存在していて、そうした人たちは、Facebookが今以上に流行る事を止めたいという意識があるようだ。
そうしたFacebook反対派は何かに付けてマイナスな情報を広げようとする。
日本でのFacebook利用者が主に安心して家族、友人との写真を共有できる場所という使い方をしているのも、Facebookを利用していない人たちには利用者が多いという事実を感じられなくしているのかもしれない。
一方、日本ではミニブログであるTwitterの利用者が多く、私も利用しているが、他国と違い実名アカウント利用者がとても少なく、匿名で無責任なコメントをすることが横行しており、芸能人の自殺に繋がるなど、サービスとしての質の低さを露呈している。
TwitterのようなサービスがFacebookより利用者が多い国は日本だけであり、日本人の過剰な個人情報漏洩に対する意識がこの状況を生み出しているのは間違いない。
そもそも、個人情報とは何かすら理解していない人たちが、論理的な考察なしにFacebookは怖いといい、Twitterは匿名だから怖くないと言っているのは浅はかだとしか言いようがない。
私もTwitterを利用しているが、このような状況を大いに憂う。
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