三年ぶりのベトナムで感じた「聴き取れなかった」と「通じた」

 コロナ騒ぎで遠ざかったていたベトナムに三年ぶりに行った。

最大の関心事はこの三年間頑張ってきたベトナム語が通じるかどうかということ。

そして、結果は残念ながら通じるとは言えなかった。

だが、進歩を実感できる場面も結構あった。

まず、駄目だった場面

ネイティブ同士の普通の会話を聴き取るのは困難であった。

南部弁同士の会話でも一部聴き取れる単語があるだけで全体として意味がわからなかったし、北部弁の会話は壊滅的に聴き取れなかった。

聴き取れなかった理由

南部弁を練習してきたと思っていたが、実際には努力が足りていなかった。

以前の記事にも書いている様に、Vの発音は基本ヴァ行で練習してきた。

しかし、実際に聞いているとヤ行で発音している方が一般的だった。

以前オンラインレッスンで、南部在住でも現在はVをヤ行で発音するのは3割程度と聞いていたので、なんとなく、Vはヴァ行で発音しておけば良いと思っていた。

でも、ヤ行で発音されると、練習していないので全く聴き取れない。

vào(ヴァオ)が(ヤオ)で耳に入ってきたら練習していないから何を言われたのかわからなくなる。

それに、vào の南部言葉vôが使われているのでますます聴き取れない。これも当然、ヤ行音で発音されているからヨーの発音となる。

オンラインレッスンでも、このあたりはずっとヴァ行音だったし、Dropsの文でもvô ではなくvào が使われていてヴァ行音だった。

全体として南部発音を練習していた筈であったが、本当に南部の言葉を聴き取るつもりならもっと完全に南部言葉を発音しておくべきだったとわかった。

このように南部発音の徹底不足、そして南部言葉の利用不足が聴き取れない要因の一つであった。

それ以外にも初歩的な文法と初歩的な言葉しか実際に会話で練習していないから、ちょっと複雑な会話になったり、口語独特の表現が入ってくるだけでわからない。

まぁとにかく聴き取れない、わからないが印象に残った。

さらに、私の周りでは完全な南部弁話者と北部弁話者が半々に近い割合でいた。

以前ははっきり聴き取れていなかったのでここまで実感していなかったが、よくよく個人個人の発音を注意して聴くと北部弁話者が結構いるとわかった。まぁたまたま北部からの来客2名がいたことも割合を高めてはいた。

当然ながら北部弁を早口(本人は普通)で喋られると、もう全く聴き取れない。

Anh có gia đình chưa? と聞かれて最後のchưa しか、聴き取れない。まぁそれより前の部分は南北でハッキリと発音が異なる上に口語で繋がって発音されるともう何を言っているのかさっぱりわからない。

以上、南北ともにまともに聴き取れないという現実を実感した。

だけれども、通じた部分もあった。

 ネイティブ同士の会話も、ネイティブからの問いかけもまともに対応できなかったが、自分の成長を実感する場面もあった。

まず、買い物とか、料理の注文とか、そういう場面では自分から定型的な言葉を言うだけであり、南部発音には以前より自身を持っていたので普通に緊張せず発音できたし、通じた。

三年前なら自分がベトナム語を発音するだけでドキドキと緊張し、本来出来るはずの発音もまともに出来なかった。

それに、三年前とはもう格段に違う発音に対する自信。

自分から知っている言葉を発音する分には十分通じる事がわかった。

ただ、相手の返答を聴き取れるかというと、買い物等の想定内の会話であれば聴き取れることもあったが、通常の会話では自分の意思を伝えられるだけで、相手の返答の意味を理解するところに至ることは出来なかった。

メニューがあれば文字を確認しながら声調や母音を気にして発音することが出来たが、文字で表記されていないと正確に声調や母音を覚えていない単語が多く、正しく発音できない事もあった。

ホーチミン市の街並みを見ながら様々な看板などを見て読む事は以前でも出来たが、以前にもまして理解できる言葉が増えた。読めるという実感と知らない言葉も多いという現実の認識があった。




これから

三年ぶりのベトナムは直前の体調不良もあって、ギリギリまで会話対策をするはずが、電車の中も飛行機の中もずっと寝てばかり。

まぁそんな中で聴き取れないという現実と通じたという現実両方を実感した。

ただ、三年間の努力に見合うほどの達成感は得られていない。

もっと実際の会話の速度で、南部の言葉を使って会話の練習をする必要がある。

その上で北部発音への対応も考えておかないとならない。

次回、いつベトナムに行くことになるかはわからないけど、もっと上達したいならやるべきことは比較的明確になっている。

あと、検定試験はやっぱり実際の会話にはほとんど関係ない。

ベトナム語能力試験でA2を取ったと言っても実際の会話では大して役に立たない。

実際の会話では教科書に載っていない口語が多用されるし、南部独特の表現が普通に使われているからだ。

検定試験の為に様々な単語や文法を学習することに意味がないわけでもないけど、会話において肝心なのはそこではなくて、とにかく聴き取れるかという事。

普段使われている言葉を普段の速度で喋って、聴く、それしか無いんだろうなぁと思う。

でも、今はとにかく疲れたので、取り敢えずしばらくはゆっくりと学習を進めようと思う。









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