続・Switchのモノポリー

 前回、Switchのモノポリーは過去のテレビゲーム移植と比べたらまともな方だと記した。前回の記事

しかし、繰り返し遊んでみると欠点がいくつか見えてきた。

  1. コンピューターが弱すぎる
  2. 破産した次の人の手番が飛ばされるバグがある
  3. テンポが悪い
  4. 全体マップが見づらい
だいたいこんなところだろうか。
特に酷いのが1と2である。

1.について

モノポリーは5人か6人で遊ぶのがちょうどよいバランスではあるが、常にその人数を集められるわけではないので、足りない人数を埋める為にコンピュータープレイヤーを追加する必要がある。
しかし、コンピュータープレイヤーは話にならないほど弱かった。
以下に記すのは、一番難しいに設定した上での話である。
モノポリーにおいて、同じ色の土地を揃える事は最も重要である。土地を揃えなければ家を建てることは出来ないからだ。
家を建てられなければ収入は増えず、他のプレイヤーに先を越されれば圧倒的に不利になる。
このいちばん重要な同じ色の土地を揃える事についてコンピュータープレイヤーはあまりにも緩い。
人間側が3枚揃うような条件の交渉に対して僅かに金額を上乗せするだけで交渉に応じてしまう。
つまり、コンピュータープレイヤーが手に入れた土地は交渉によっていつでも買い取る事が出来るわけなので、コンピュータープレイヤーの人数が多ければ多いほど、人間側は簡単に同じ色の土地を揃えることが出来てしまう。
これは交渉こそがゲームの本質であるモノポリーにおいて致命的である。
人間が3人でコンピュータープレイヤー2人なら辛うじて楽しめるが、人間が2でコンピュータープレイヤーが3なら面白みはほとんど感じない。いかに素早くコンピュータープレイヤーを利用して土地を揃えるかというゲーム展開になってしまい、そして、それを阻止するように人間プレイヤーの邪魔になるような交渉を考えなければならなくなる。
ここまでコンピュータープレイヤーが弱いと人間プレイヤー同士がルールを決めてコンピュータープレイヤーに対しては両者が揃うような交渉以外は禁止とするといった対応が必要だろう。

2.のバグについて

誰かが破産すると、その次の手番のプレイヤーが飛ばされてしまう現象はあまりにも明確なバグである。
このバグが放置されてアップデートによる改善が無いのは明らかにおかしい。
こんな基本的な動作にバグがある状態でリリースされる事自体がまともにテストプレイされていないと推察出来る。
確かに昨今ではリリース後にアップデートすることが出来るのでテストが甘い状態でリリースされるゲームというのは増えていると感じる。
しかし、アップデートによる改善もないのであるからまったく呆れるしか無い。
まぁこのバグについてレビューで触れている人がそれほど多くない理由としては、多分破産するプレイヤーが出てくるような状況では手番が飛ばされたほうが破産を免れることが出来るので飛ばされた人が大きく不満を口にする事が少ないからかもしれない。

3.テンポが悪い

一つ一つの挙動、プレイヤー間の切り替え等、不要な間があるのが気になる。
また、コマの移動に時間がかかるのでスキップすることが出来るが、それはそれで味気ない。
早送りのように高速度移動出来るモードがあると良いのだが、そのようなモードは無さそうだ。
これもテストプレイ不足を露呈していると言える。
実際に何度もテストプレイしていればこのような不要な間がある状態では快適に遊べないことくらいわかるはずである。

4.全体マップが見辛い

モノポリーにおいて自分の家の周辺に他のプレイヤーが近づいてきているかというのはとても重要な情報であり、位置から確率を計算し、確率が高いとわかれば家を増やすといった対応を行うのが普通である。
しかし、通常の画面では他のプレイヤーが今何処にいるかがわからず、その時の手番のプレイヤーが意図的に全体を確認しないとわからない。
現在手番ではないプレイヤーが現在の状況を把握出来ないという事は自分の手番になるまで家を増やすかどうか等を考えることが出来ない事を意味しており、これもまたプレイのテンポを悪化させる要因となっている。

スピードダイス

Switchオリジナル要素として時短の選択肢にスピードダイスというのがある。
2周目からサイコロが2つではなく3つになり、3つ目は特殊なサイコロになっている。
それで、これが面白いのかというと、特別面白くはない。
移動出来るマスが増えたりして時短要素とはなっているが、前回記したようにモノポリーのボードは2つのサイコロで一番出やすい7を基準にマスが配置されている。
なので、3つ振ることによって本来のゲームバランスは崩れてしまう事は明白であり、その時点で既にモノポリーの緊迫感は失われてしまうのである。
だが、より運の要素が強くなるので、家族で気楽に遊ぶ際には意味があるといえるであろう。

それでも遊ぶ価値がないとは言えない

今回、Swtich版モノポリーの欠点を列挙してみたが、それでも遊ぶ価値がないというわけでもない。
バグはよろしくないが、そういうものだと目をつぶって割り切れば遊べないわけではない。
気軽に対戦が出来るもっと良い環境があればSwitch版で遊ぶ必要はないのだが、そのような環境はなかなか難しい。
色々とモノポリーのレビューを見てみると私が遊んだのとは違うプレイステーション版のモノポリーDXというのと、スーパーファミコン版のモノポリーは良く出来ていて面白いらしい。
しかし、プレイステーション(1)やスーパーファミコンを遊べる環境を常時設置したいとは思わないし、モノポリーの時だけそれらのゲーム機を設置して、遊んだらしまうというのは面倒すぎる。

現在自宅に設置してあるゲーム機はSwitchとWii Uのみであり、Wii UではWii版のモノポリーを遊ぶことが出来る。
久しぶりにWii版を起動してどのような仕様だったか確認したが、初期のプレイステーション版と同様にプレイ人数が4人までと制限されており、そもそもモノポリーのゲームバランスとして最適な5、6人でのプレイが出来ないのであるから論外であった。


過去にiPadで遊んでいたモノポリーを起動しようとしたら既に起動出来ず、現在のOSバージョンでは起動できないことがわかった。
アプリはOSのバージョンに依存するので、時が流れるといつのまにか遊べなくなる。
モノポリーを遊べる環境をいろいろ考えてみたが、良い選択肢は出てこない。
このような状況において、モノポリーを気軽に遊ぼうと思った時の選択肢としてはSwitch版はありだと言える。

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